問題44:併殺打?失策?
問題44
無死1・3塁。打者は遊ゴロを放ちました。遊撃手はセカンドに入った二塁手に送球し一塁走者をアウトに、二塁手は一塁手に送球しました。が、その送球が悪送球になり、打者走者は一塁に残りました。二塁手が正確に送球できていれば打者走者はアウトにできるタイミングでした。
打球が転がったのを見てスタートを切っていた三塁走者は生還。
この場合の記録はどうなる?
①打者の記録は併殺打、打点は付かない。二塁手には失策が記録される。
②打者の記録は凡打(遊ゴロ)、打点が付く。二塁手には失策が記録される。
③打者の記録は凡打(遊ゴロ)、打点が付く。二塁手には失策は記録されない。
【問題44の解答】
③打者の記録は凡打(遊ゴロ)、打点が付く。二塁手には失策は記録されない。
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併殺打が記録されるか否か、また二塁手に失策が記録されるか否かの2点がこの問題のポイントでした。
まず二塁手の悪送球に失策が記録されるか否かに関してですが、併殺を企てたケースの第2アウトをとろうとした送球が悪送球になった場合には〈失策は記録しない〉というルールがあります(10.12(d)(3))。問題43のように送球を受ける側のミスに対しては失策が記録されるのに対し、送球する側のミスの時点では「確実にアウトにできた」とまではいえないからです。
(打者走者がその後悪送球を利用し余分な塁に進んだときには、二塁手に失策を記録します。)
また、打者の記録に関しては、「失策が絡まず、記録上単に一塁走者をアウトにした打球を打った」ということになるので、併殺打が記録されることはありません。記録は凡打になります。
「内野のアウトによって得点」を得ていますので、打者には打点が記録されます(10.04(a)(1))。
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スコアでは6-4E-3とならずに、単に6- となります。