問題5:送球にグラブを投げつける?
問題5
打者Aが左中間を抜こうという打球を放ちました。二塁を狙った打者走者Aを見て、打球を処理した左翼手は二塁へ送球しました。タイミングは微妙…と思いきや左翼手からの送球は悪送球!後方カバーに入っていた一塁手にも届かない高い悪送球になってしまいました。(この間に打者走者は二塁へ到達。)すると一塁手はなんとかボールを止めようと、ミットを外しボールにぶつけて落としました。
悪送球を見て三塁を伺いかけたAですが、コーチャーの動きを見てストップ。二塁に帰塁しました。
この場合、以下のどれになるでしょうか?
①打者の記録は二塁打。
②打者の記録は三塁打。三塁への進塁が認められる。
③打者の記録は本塁打。生還が認められる。
【問題5の解答】
③打者の記録は本塁打。生還が認められる。
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これも「安全進塁権」の問題でした。この問題のポイントは2つ、(1)いくつ進塁権を与えられるか、(2)どの塁を進塁の起点にするか、です。
まず(1)は、「野手が、グラブを故意に投げて、送球に触れさせた場合」に二個と規定されています(7.05(e))。
そして(2)は、進塁の起点です。この場合、一連のプレーが始まるときに占有していた塁(この場合打撃が起点)なのか、左翼手が送球した時点で占有していた塁(この場合一塁)なのか、はたまた一塁手がボールにグラブをぶつけた時点(この場合二塁をまわっているので二塁)なのかが問題になります。答えは、野手が投げたグラブ(中略)が打球または送球に触れた瞬間(7.05(e)【注】)なので二塁になります。
二塁を起点に二個の安全進塁権を与えられ本塁への進塁が認められるので、これが記録上は本塁打となり(10.06(e))、答えは③になります。
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この場合もインプレーですので、打者はアウトをとして本塁に進んでも構いません。また、グラブを投げても当たらなければこのペナルティは適応されません(7.05原注)。
ちなみに7.04(e)には「野手が帽子、マスク、その他着衣の一部を、本来つけている個所から離して、投球に故意に触れさせた場合」の規定もあります。この場合は走者に一つ進塁権を与えられます。
グラブは投げるものではありませんので、ご注意を~
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